認定者からのメッセージ

相談通訳者

 岩田 久美(いわた くみ)スペイン語  2017年認定 

弁護士との相談通訳や医療通訳を行う中で、こころの病を抱えているケースなどに対応する機会があり、コミュニティ通訳(相談通訳)における医療分野の通訳と、一般の医療通訳の活動範囲のすみ分けをはっきりさせるべきではないかと感じるようになりました。境界をはっきりさせることにより、通訳としてどちらの立場で対応するかが明確になり、また通訳を頼む人々にとってもメリットがあると考えます。

大阪外国語大学イスパニア語科卒業。在日チリ大使館勤務後、JICA(国際協力機構)研修監理員として、通訳業務を担当。1992年よりフリーランス通訳として主にビジネス通訳に従事。1992年よりフリーランス通訳として主にビジネス通訳に従事。2011年、東京外大多言語・多文化教育センタ「コミュニティ―通訳コース」第2期修了後、2012年より外国人のための専門家相談会、弁護士事務所での相談通訳を担当し、2017年からMICかながわ医療通訳として活動。 2020年4月より、東京都外国人新型コロナ生活相談センター(TOCOS)のバックアップ通訳として電話通訳を担当。

 三木 紅虹(みき こうこう)/ 中国語  2017年認定 

今後も在住外国人の人数の増加、永住など長期滞在の増加、国際結婚で多文化家庭の増加、外国人労働者の増加など考えられる。同じ生活者と労働者として、同じ医療・福祉・教育など行政サービスを受ける権利がある。そのため、質を保証された言語支援が重要である。私たちの活動を通して相談通訳・コミュニティ通訳の質の向上、社会的認知度の向上を目指したいと思う。

これまでの活動について、横浜市国際交流協会所属の多文化共生センターの相談員兼コーディネーターを8年間勤めながら、NPO法人MICかながわにて医療通訳兼コーディネーターを続けていた。相談通訳者の認定を受けた後、関東弁護士連合主催の外国人無料相談や神奈川県内で外国につながる子どもたちの高校進学支援をしているNPO団体の活動にも参加し、教育相談および在留資格に関する相談にかかわっている。横浜市嘱託職員として生活保護や精神保健福祉関連の相談通訳もかかわっている。一般社団法人日本公共通訳支援協会にも参加して、主に医療通訳の普及・育成のために全国各地の機関団体主催の研修講師を務めた。

 宮城 京子(みやぎ きょうこ)/ 英語  2017年認定 

私は現在、東京都保健医療情報センターひまわり外国語対応室、AMDA国際医療情報センター、外国人総合相談センター埼玉で英語電話相談員をしています。また、入管や弁護士会、遠隔医療通訳会社に登録してタイミングが合えばそれらの通訳者としても活動しています。相談通訳の醍醐味は、相談をいかにスムーズに有意義なものにできるかを瞬時に考えながら、専門家と相談者をつないでいくことです。言語サポートにより充実したコミュニケーション成立の役に立てることは一番の喜びだと感じています。一方、専門家の話を理解し分かりやすく伝えるためには、言語のみならず、その分野の基礎知識があると役に立ちます。そのため勉強は欠かせませんが、何より相談がうまくいったときの外国人の方の笑顔を見るときとてもうれしく温かい気持ちになります。みなさんもぜひ相談通訳の仲間になって活動してみませんか。

東京都保健医療情報センターひまわり外国語対応室、AMDA国際医療情報センター、外国人総合相談センター埼玉・英語相談員

 山浦 育子(やまうら いくこ)/ 中国語  2017年認定 

 「ファーストペンギン」って知っていますか?集団で行動するペンギンの群れの中から、天敵がいるかもしれない海へ、魚を求めて最初に飛びこむ1羽のペンギンのこと。転じて、その“勇敢なペンギン”のように、リスクを恐れず初めてのことに挑戦するベンチャー精神の持ち主を、米国では敬意を込めて「ファーストペンギン」と呼びます。(出典:ネット)
 私はそこまで勇敢ではないが、初めてのことを挑戦することはよくあります。思いを起こせば、現在多文化共生に取組みになるきっかけは、2010年東京外国語大学多言語・多文化教育研究センター(当時)主催の「コミュニティ通訳」講座を1期生として受講したことです。そこでたくさんの専門知識を学び、受講後は法律相談の通訳を実践の場として提供されて、経験を積んできました。2017年に東京都国際交流委員会が主催の「多文化共生コーディネーター」講座も1期生で、またこの機構に最初に認定していただいた相談通訳者の一人です。2018年総務省主催の「災害時外国人支援情報コーディネーター研修」も1期生でした。特に1という数字にこだわっている訳ではありませんが、結果的にそうなってしまいました。
 30年前に日本に来た時は、やはり色んなところで苦労をしました。同じ国の方に同じ苦労をさせたくない思いが強いかもしれません。 今回新型コロナウィルス対応として、区内在住の中国の方に、情報発信し、拡散してもらいました。また、WeChatでグループを立ち上げ、メンバーは主に全国各地で相談員をしている方や国際交流推進員の方10名になります。グループ名は「風月同天」で、公の情報(中国語)を発信し、共有をしています。 皆さんもリスクを恐れず初めてのことに挑戦してみてはいかがでしょうか。

NPO法人CINGA会員、中国語通訳者、多文化共生マネージャー、NPO多文化共生マネージャー全国協議会理事

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〈多文化社会コーディネーター〉

 菊池 哲佳(きくち あきよし) 2017年認定 

私が認定試験にチャレンジしたのは、国際交流協会の職員には多文化社会コーディネーターの役割が求められると考えたからです。私は2000年に仙台国際交流協会に入職して以来、外国人相談事業や防災事業を担当し、やがてそれらを「業務」としては何とかこなせるようになったものの、業務をこなすだけではなく、これから国際交流協会の職員としてどのような役割を果たしていくべきかを考えるようになりました。同時に、自分の仕事の質に自信が持てず、悶々とする時期がありました。そのようなときに、「多文化社会コーディネーター」の専門職像と出会い、国際交流協会職員はまさにこれだ!と思いました。その後、多文化社会コーディネーターについての講座や研究会に参加する中で、全国各地の実践者と出会い、彼らの姿に励まされもしましたし、また自らの専門性を高める方法として「省察」の必要性を実感しました。 私は地域の「多文化共生」を推進していくためには、全国各地で多文化社会コーディネーターの役割を果たす人びとの存在が欠かせないと思います。全国各地で「同志」が生まれ、活躍することを認定者のひとりとして願っています。

仙台多文化共生センター センター長(公益財団法人 仙台観光国際協会)、一般社団法人 多文化社会専門職機構 事務局長、認定NPO法人 日本ボランティアコーディネーター協会理事、慶應義塾大学SFC研究所 上席研究所員

 北村 祐人(きたむら ゆうと) 2017年認定 

認定試験を志したころ、私は愛知県豊田市が名古屋大学と共働で運営する「とよた日本語学習支援システム」のシステム・コーディネーターをしていました。そこでは、市内の各地で企業内日本語教室を運営したり、公営住宅の集会所で住民のための日本語教室を運営したりと、豊田市における日本語学習の機会を整えるための仕事をしていました。長年、「コーディネーター」という名前で仕事をしていましたが、当初はコーディネーターが具体的にどのような仕事をするのか、役割を果たすのか明確に分かっていませんでした。 そんな私が多文化社会コーディネーターを志したのは、コーディネーターとしての力量を向上させたかったからです。そのうち、多文化社会コーディネーターとして働く仲間たちと議論していると、コーディネーターがどのような役割を果たし、地域でどのように機能していくのかが分かってくるようになりました。また、認定試験受験をきっかけに、「なぜ自分がコーディネーターとして働くのか」「自身のコーディネーターとしての力は何か」を自分自身に問い、自分のコーディネーターとして能力について深く考えるようになりました。それからは、どのように関係者と対話をし、日本語教室での活動を設計していくか、日本語教室を運営することで我々が社会にどのようなインパクトを与えられるのか、狭義の「教室」にとらわれず、事業としてどのように教室を見つめられるか考えることができたように思います。現在はコーディネーター職を退いていますが、そこで得た視点は重要なものだったと感じています。

元とよた日本語学習支援システム システム・コーディネーター

 髙栁 香代(たかやなぎ かよ) 2017年認定 

私は長年外国人が点在する地域での草の根での活動を続けてきました。日々目の前の課題を解決することに追われ、対処療法的な解決が続くことに不安と限界を感じていた時に「多文化社会コーディネーター」の実践研究を知りました。私にとって認定までの道のりは決して平坦なものではありませんでしたが、多文化社会に向き合う覚悟を自覚させてくれた貴重な機会でした。
 認定後は多文化社会専門職機構を通して知り合った多文化社会の問題解決に取り組む各地の実践者や研究者とつながることで、地方都市で孤独感を感じることなく実践に取り組めています。そして、多文化社会コーディネーターとしての学びも継続できています。私の実践はとても小さなものですが内実のある実践になるよう努力を重ねていきたいと思っています。
 今日、地域の多文化化は地方都市の小さな集落でも急速に進んでいます。誰も置き去りにされることなく、誰もが力を発揮することのできる多文化社会を実現するために欠かすことのできない「コーディネーション」は今後も必要とされるでしょう。それを担う専門職である認定多文化社会コーディネーターが各地で増えてほしいと願っています。

多文化共生ネット・九州主宰。2000年から断続的に約7年に渡り(公財)宮崎県国際交流協会において国際交流・多文化共生事業を担当。宮崎県や福岡市での草の根での地域の多文化共生事業等の経験を経て、現在は宮崎市に在住し、地域日本語教育に関する事業や九州管内の実践者間の情報ネットワーク構築、在住外国人とのまちづくりや防災に向けた活動を続けている。

 松尾 慎(まつお しん) 2017年認定 

専門は、日本語教育、多元文化教育です。ブラジル、インドネシア、台湾で日本語教育に携わり、2009年より東京女子大学に勤務しています。日本語教員の養成の他に学生と地元(西荻)を結ぶ活動を教育委員会や地域の方々と連携して行っています。また、2014年、難民当事者とともに難民の日本語教室・活動(Villa Education Center)を立ち上げ、毎週日曜日、大学院生や修了生、学部生とともに活動を継続しています。先日、250回を数えました。この活動ではすべての参加者が学び合える活動をデザインしています。2020年にこの活動を正式に任意団体として立ち上げました。様々な活動に関わっていますが、こうした活動をデザインし、実施していくためには、コーディネーター的な視点や力量が必要になると考えます。また、多文化社会コーディネーターとしての学びを深める過程で、日本語教育の世界にいただけでは出会えない多くの仲間と知り合うことができました。日本語教育の世界でもコーディネーターの果たす役割が注目されています。新たなコーディネーター仲間に出会いたいと思います。皆さんを歓迎いたします。是非、実践とその省察を共有し合いましょう。

東京女子大学教授、Villa Education Center代表理事

 松岡 真理恵(まつおか まりえ) 2017年認定 

現職の前に、(財)豊田市国際交流協会で働いていた時期もあり、ずっと国際交流協会という特殊な業界に身をおいています。こんなに小さな世界にだけいていいのだろうかと思った時もありましたが、常に現場で生身の人間とふれあいながら次々と立ちはだかる課題に向き合ううちに、現代社会の最前線にいるのかもと思うようになり、むしろ、この道を究めようと、多文化社会コーディネーター研究に関わるようになりました。
多文化社会コーディネーターの専門性を可視化して社会にその必要性を示していく使命感を感じながら、現在も日々現場であがいています。多文化社会コーディネーターの輪が広がるよう、活動を続けていきたいと考えています。

公益財団法人浜松国際交流協会 事務局次長、多文化社会コーディネーター