相談通訳者 認定者からのメッセージ

※肩書は認定当時のものです。

石塚 英子(いしづか ひでこ)/ 英語 2023年認定

アメリカとフランスに駐在していた際に、現地で大変お世話になった経験から、日本に駐在する外国人社員とその家族を支えてきました。また、国際交流協会では通訳・翻訳と学習支援、自治体では防災と観光の分野で語学ボランティアをしています。
一方、多文化共生コーディネーター研修で学んだり、専門家リレー相談会で通訳ボランティアをする中で、昨年相談通訳に出会いました。そして、日本語で請け負っている相談員の仕事で培う様々な知識と経験が、相談通訳にそのまま活かせることに気づき、相談通訳を目指すことにしました。
今回相談通訳の認定をいただいたことは大きな喜びであり、相談通訳の分野で本格的に活動していきたいという思いを強くしています。

長年の外資系企業勤務、国際交流協会・自治体などでの通訳・翻訳ボランティア、相談員業務

岡山 朋可(おかやま ともか)/ 中国語 2023年認定

私は、中国から日本に来て二十五年になります。
3年前のコロナ禍により、国分寺市では外国人支援事業を強化するため国際協会に対して通訳、翻訳事業を委託しました。
今、私はその事業を国際協会の臨時職員として担当しております。昨年、相談通訳認定試験の情報を知り、チャレンジしてみました。まだ経験が浅いのですが、微力ながら、地元外国人のために何か役に立てればと思っています。

所属:国分寺市国際協会事務局臨時職員(通訳翻訳担当)、立川市自立支援通訳、CEC、国分寺市教育委員会派遣日本語指導

朱 思穎(しゅ しえい)/ 中国語 2023年認定

若い頃に留学生として日本で生活していました。 帰国後、日本語を活かし、長年に旅行会社で訪日旅行業務を中心に、観光とビジネス客 としてよく日本に訪れており、滞在中にいつも温かいおもてなしに感動されていました。 2018年家族の都合により日本に移住し、生活者として日本で生活を始めてから、多くの 外国人生活者と同じように日常生活、子育て、子の転学や言葉の壁など様々な面で困難に 直面していました。 人の役に立ちたい、私自身が外国人であることを強みとして捉え、地域でボランティア 活動をしながら、2020年から外国人支援の仕事を携わりました。
自治体で外国人生活相談員、保育所で外国ルーツ園児対応、学校で外国ルーツ児童生徒 学習支援など勤務経験を通じて、相談と対応内容が多岐に渡ると実感しています。言語の 通訳に留まらず、相談通訳者としての技術、専門知識、態度/マナーが不可欠であること を感じました。 ホスト社会につなげる「橋渡し役」を常に専門性の向上に努めたいと考え、認定試験を 受けました。自身の能力と専門性を高める機会を得られたことに感謝しています。そして 相談通訳が専門職として社会に認知されることを期待しています。

千葉市国際交流協会 生活相談員中国語を担当、市の保育所と学校での外国人児童生徒の教育相談員を務める。

宇塚 れおん(うつか れおん)/ ミャンマー語 2022年認定

在日先輩外国人は思いがけず後輩たちからの相談に向き合わなくてはならないことがあります。長年それらの相談を聴いていると、何とか助けてあげたいというボランティア精神が高まる一方、本来実施するべきエンパワーメントの視点を忘れてしまいがちです。私もその中の一人でした。
今回、「相談通訳認定試験」の準備の一環で、「これだけは知っておきたい!外国人相談の基礎知識」という本を読んで、公的な制度や法律の勉強になったのはもちろん、マイノリティーに対する理解が不足していると実感しました。また、自分では優しい相談通訳員だと思っていたのですが、外国人相談事業におけるコミュニティ通訳者の責任を果たしていないことに気づかされもしました。
これから、「相談通訳認定試験」の準備にとどまらず、マイノリティーが法の下に暮らすために、また相談者自身のエンパワーメントを通じて、両国の架け橋になろうと決心しています。

サクラグローバルホールディング株式会社 海外プロジェクト課所属

Subarna Lata Tuladhar/ ネパール語 2020年認定

私はネパール人両親のもとに生まれ、育ちました。母がネパールで日本語学校の先生、日本人観光客ガイド、通訳、翻訳をしていた関係で、私は子供のころから日本語を耳にする環境で育ちました。22歳のときに留学生として来日しました。留学生時代からネパール人コミュニティのために通訳、翻訳をしてきました。社会人になってからも通訳、翻訳を副業として続けていましたが、2007年に通訳者としての基礎やマナーを勉強する機会に巡り合いました。その後、2020年に相談員としてデビューしました。通訳者と相談員は別の立場であり、役割が異なります。しかし、その違いを意識することは少ないと思います。少数言語の通訳認定試験がない中、「相談通訳者認定試験」は相談通訳者としてのスキルを測る良い機会です。「認定者」になれば自信につながります。また、認定者が増えていくことで価格より質にこだわる社会に変わって行くと思います。質を重視する社会になれば、通訳をメインの仕事として生活をできるようになって行くと期待しています。

一般財団法人東京都つながり創生財団東京都多言語相談ナビ職員

伊藤 ゆり(いとう ゆり)/ ポルトガル語 2019年認定

来日当初は日本語ができず、困った経験が多かったのですが、常に誰かに助けていただいたことから自分もそういった方々のお役に立ちたく、通訳になりました。
主に教育現場での支援を行ってまいりましたが、言葉をそのまま伝えるだけではなく、時には相談に乗りながら相手に寄り添うことも多く、多方面でのケアをすることが多いです。そのため、私は語学の知識だけではなく、いろんな国の文化や心理学の勉強にも力を入れています。 これからも一人でも多くの方が自分の気持ちを伝えられるように精進してまいります。

来日当初は日本語ができず、困った経験が多かったのですが、常に誰かに助けていただいたことから自分もそういった方々のお役に立ちたく、通訳になりました。
主に教育現場での支援を行ってまいりましたが、言葉をそのまま伝えるだけではなく、時には相談に乗りながら相手に寄り添うことも多く、多方面でのケアをすることが多いです。そのため、私は語学の知識だけではなく、いろんな国の文化や心理学の勉強にも力を入れています。 これからも一人でも多くの方が自分の気持ちを伝えられるように精進してまいります。

小学校6年生の時にブラジルから日本へ移住。教育現場・一般企業・フリーランスでの通訳や翻訳業務を行う。

岡田 シモネ 梨香(おかだ しもね りか)/ ポルトガル語 2019年認定

30 年前に、来日した当初は言葉ができなかったため、困った場面が色々ありました。特に社会保険や労働、 教育などの制度が分からず利用できなかったことが多かったです。 現在、浜松国際交流協会の職員としてこれまでの経験を活かして外国人からの生活相談を受け、行政相談、法律相談などの通訳も行い、言葉の壁により不利な立場におかれる外国人を減らすために努めています。通訳については専門的な教育を受けていないので、正しいやり方で行えているか不安を抱えたまま業務を行ってきました。
外国人の定住化が進む中問題がより複雑になってきたことから、一層質の高い知識が求められることを感じ、相談通訳認定試験を受けることにしました。 試験に合格したことで、これまでの仕事を確認でき、自信を持って前に進むことができるようになりました。もちろん、引き続き自分のスキルを磨かないといけないことを承知していますが、より一層困っている外国 人を支えたいと思う気持ちが強くなりました。
今後も一般社団法人多文化社会専門職機構においては相談通訳認定者を増やして外国人が暮らしやすい社会を実現できることを願っています。

浜松国際交流協会(HICE)相談事業コーディネーター

奈須 清美(なす きよみ)/ 中国語 2019年認定

92年に中国上海から来日しました。5年目の時偶然練馬区役所で外国語ボランティア登録の募集を見て登録しました。そのことがきっかけで、ボランティア活動から始めました。その後多文化情報支援員、外国人相談員となり、多文化共生活動に携わってとてもやりがいのある仕事と感じました。
活動しているうちに、通訳のスキル、相談員の知識をもっと高めたいと思いました。その時、偶然役所で相談通訳者認定試験のことを知り、チャレンジしようと思いました。認定試験に合格し、「認定者」になって自信になりました。これからも、在日外国人のために橋渡しの役割を果たせますように。もっと努力していきたいと考えています。

練馬区役所 地域振興課事業推進係 外国人相談窓口 相談員、練馬区多文化情報ひろば 支援員

濱屋 伸子(はまや のぶこ)/ 中国語 2019年認定

学生時代に中国語と出会い今に至ります。(公財)京都市国際交流協会の職員として通訳や相談業務に関わる経験があったことで、通訳者の役割や相談員の立場との違いなど、コミュニティ通訳の奥の深さに気づきました。そして、それが試験を受けるきっかけになりました。
通訳をする際には、何よりも「正確さ」が重要で、相談員という立場では「親身になって話を聞くこと」が大切だと常々思っていますが、それは簡単なことではありません。認定試験を受けて、改めてその難しさを実感したことを覚えています。
その人が、自分の言葉で自分の気持ちをしっかり伝えられるための言葉や文化の橋渡しの役割を、「正確に、親身に」果たせるように、これからも努力していきたいと思っています。

(公財)京都市国際交流協会の職員として、コミュニケーション支援や情報提供に関わる。中国に魅せられて35年。お隣の国、中国の面白さや奥深さを、日本人にもっともっと知ってもらいたいと強く願っている。

平田 イヴィ/ ポルトガル語 2019年認定

小学校4年生で来日した直後は、全く日本語がわからず、これまで多くの方に助けていただきました。今度は自分が誰かの役に立ちたいと思い、現在の職に就いています。
ポルトガル語と日本語、両方の言語を理解し、話すことはできるものの、はたして「通訳者」と名乗ってもいいのかな、と悩んでいたときに、この認定試験に出会いました。認定試験に合格したおかげで、漠然としていた自分の立場が認められたように感じました。
今では精度の高い通訳翻訳アプリが多く普及していますが、やはり人対人にしか感じられない言葉のニュアンスや生まれ育った文化背景の理解があります。だからこそ社会に認められる専門職として、より多くの方にコミュニティ通訳の必要性を認知してもらえることに貢献できれば嬉しいです。

公益財団法人京都市国際交流協会 事業課に所属。市役所のポルトガル語通訳者としての勤務を経て、現在は(公財)京都市国際交流協会の職員として、行政通訳相談事業・ボランティア事業を担当。地域日本語教育推進事業総括コーディネーターも担う。

吉留 富子(よしどめ とみこ)/ ポルトガル語 2019年認定

私はブラジルへ移民した日本人の両親のもとで生まれ育ち、1990年に来日しました。
日本へ来てまもなく通訳翻訳の仕事に就いたものの当時は特別な資格も経験もなくコミュニティーの役に立ちたいという思いだけでした。工場で務める方の連絡事項の翻訳、病院、役所への同行通訳を主に行っていた私は、転職に伴い教育、行政、司法、医療の分野で経験を得ることができました。しかし、自分のスキルの程度も分からない状態で不安なこともありました。
2019年に相談通訳認定試験に合格しました。今までの経験が認められた事により、新たな気持ちで橋渡し役の任務に専念する良い機会となりました。
相談通訳を自己流で行うのではなく、資格を得て質の良い相談通訳を提供することがこれから益々望まれると思います。多くの方が取得できることを願っています。

浜松国際交流協会(HICE)にて在住外国人のメンタルヘルス相談員及び精神科・発達医療機関等への同行通訳、法律相談・行政書士相談・税務相談業務に携わっている。

岩田 久美(いわた くみ)/ スペイン語 2017年認定

弁護士との相談通訳や医療通訳を行う中で、こころの病を抱えているケースなどに対応する機会があり、コミュニティ通訳(相談通訳)における医療分野の通訳と、一般の医療通訳の活動範囲のすみ分けをはっきりさせるべきではないかと感じるようになりました。境界をはっきりさせることにより、通訳としてどちらの立場で対応するかが明確になり、また通訳を頼む人々にとってもメリットがあると考えます。

大阪外国語大学イスパニア語科卒業。在日チリ大使館勤務後、JICA(国際協力機構)研修監理員として、通訳業務を担当。1992年よりフリーランス通訳として主にビジネス通訳に従事。1992年よりフリーランス通訳として主にビジネス通訳に従事。2011年、東京外大多言語・多文化教育センタ「コミュニティ―通訳コース」第2期修了後、2012年より外国人のための専門家相談会、弁護士事務所での相談通訳を担当し、2017年からMICかながわ医療通訳として活動。 2020年4月より、東京都外国人新型コロナ生活相談センター(TOCOS)のバックアップ通訳として電話通訳を担当。

宮城 京子(みやぎ きょうこ)/ 英語 2017年認定

私は現在、東京都保健医療情報センターひまわり外国語対応室、AMDA国際医療情報センター、外国人総合相談センター埼玉で英語電話相談員をしています。また、入管や弁護士会、遠隔医療通訳会社に登録してタイミングが合えばそれらの通訳者としても活動しています。相談通訳の醍醐味は、相談をいかにスムーズに有意義なものにできるかを瞬時に考えながら、専門家と相談者をつないでいくことです。言語サポートにより充実したコミュニケーション成立の役に立てることは一番の喜びだと感じています。一方、専門家の話を理解し分かりやすく伝えるためには、言語のみならず、その分野の基礎知識があると役に立ちます。そのため勉強は欠かせませんが、何より相談がうまくいったときの外国人の方の笑顔を見るときとてもうれしく温かい気持ちになります。みなさんもぜひ相談通訳の仲間になって活動してみませんか。

東京都保健医療情報センターひまわり外国語対応室、AMDA国際医療情報センター、外国人総合相談センター埼玉・英語相談員

山浦 育子(やまうら いくこ)/ 中国語 2017年認定

「ファーストペンギン」って知っていますか?集団で行動するペンギンの群れの中から、天敵がいるかもしれない海へ、魚を求めて最初に飛びこむ1羽のペンギンのこと。転じて、その“勇敢なペンギン”のように、リスクを恐れず初めてのことに挑戦するベンチャー精神の持ち主を、米国では敬意を込めて「ファーストペンギン」と呼びます。(出典:ネット)
 私はそこまで勇敢ではないが、初めてのことを挑戦することはよくあります。思いを起こせば、現在多文化共生に取組みになるきっかけは、2010年東京外国語大学多言語・多文化教育研究センター(当時)主催の「コミュニティ通訳」講座を1期生として受講したことです。そこでたくさんの専門知識を学び、受講後は法律相談の通訳を実践の場として提供されて、経験を積んできました。2017年に東京都国際交流委員会が主催の「多文化共生コーディネーター」講座も1期生で、またこの機構に最初に認定していただいた相談通訳者の一人です。2018年総務省主催の「災害時外国人支援情報コーディネーター研修」も1期生でした。特に1という数字にこだわっている訳ではありませんが、結果的にそうなってしまいました。
30年前に日本に来た時は、やはり色んなところで苦労をしました。同じ国の方に同じ苦労をさせたくない思いが強いかもしれません。 今回新型コロナウィルス対応として、区内在住の中国の方に、情報発信し、拡散してもらいました。また、WeChatでグループを立ち上げ、メンバーは主に全国各地で相談員をしている方や国際交流推進員の方10名になります。グループ名は「風月同天」で、公の情報(中国語)を発信し、共有をしています。 皆さんもリスクを恐れず初めてのことに挑戦してみてはいかがでしょうか。

NPO法人CINGA会員、中国語通訳者、多文化共生マネージャー、NPO多文化共生マネージャー全国協議会理事