団体概要

代表理事就任のごあいさつ


多文化社会専門職機構 代表理事 野山 広



 多文化社会専門職機構は、さまざまな方々の叱咤と激励、ご支援等の下、2017年2月26日に明治学院大学において設立されました。その際の設立総会、理事会において代表理事に選出されました野山広と申します。設立フォーラムの開会にあたり一度ご挨拶申し上げましたが、ここで改めてご挨拶申し上げます。

 設立に当たり、本機構の社会的役割、事業活動等の指針となる背景と趣旨の策定に際しては、多様な分野の方々からご意見を頂くとともに、多大なご理解とご協力、ご助言等を頂きました。おかげさまで、本機構の理事、運営委員、設立呼びかけ人を中心に、日本社会の多文化化の状況を踏まえつつ、新たな機構としての使命、目標、将来像を描き、以下のように公開することができました。改めまして、深く感謝申し上げます。

 「教育、法律、医療、行政などのさまざまな分野で多文化社会の問題解決に取り組む人々に学びとネットワーク形成の場を提供するとともに、認定事業を通じて問題解決に貢献できる人々を専門職として輩出することを目的に多文化社会専門職機構を設立します。」

 この設立趣旨を踏まえつつ、まずは「誰も置き去りにされることなく、誰もが力を発揮することのできる多文化共生社会を実現する」ために、今後は、持続可能な認定事業(多文化社会の問題解決に貢献できる人々を専門職として輩出すること)をしっかり視野に入れた中長期事業計画の概要を掲げ、財政的な基盤強化も図っていきたいと思います。設立後の2年間については、まず 2017 年度内に、主な事業の中長期事業計画の完成を目指すとともに、2018 年度からは、それらの事業のアクションプランを着手できる所から着実に実行し、少しずつ漸進できたらと思っています。

 次に、「さまざまな分野で多文化社会の問題解決に取り組む人々に学びとネットワーク形成の場を提供する」ために、機構の機能を自律的、戦略的に果たしていけるような体制作りや整備を図っていこうと考えています。会員、非会員を問わず、多文化社会を担う多様な背景を持った人々がそれぞれ意見を出し合い、仮にその場で摩擦が生じたとしても、俯瞰することを忘れず、擦り合わせをするための工夫をしながら対話や実践=試行錯誤を行い、その省察の成果としての学びや経験を蓄積していくことを目指したいと思います。

 本機構の設立の背景で「多文化共生推進プラン」(2006年)に触れていますが、そのプランの策定以前の2004年に、日本経済団体連合会が経団連報告の中で、社会状況の変化に外国人受入れ施策の一大転換、充実に向けて、基本法の制定や多文化共生庁の設置、さらには地域における日本語教育のプログラム化なども含む総合的な支援方策に関する提案を行っています。その報告を踏まえつつ、総務省が策定したのが「多文化共生推進プラン」ということになります。その後、約10年がたった2016年11 月 8 日に,多文化社会を支える日本語教育の推進、充実に向けた基本法の策定に向けて、超党派の国会議員による「日本語教育推進議員連盟」(略称:日本語教育議連)が(遂に)発足しました。2017年6月現在、「日本語教育推進基本法(仮称)」が議員立法として作成されつつあります。その骨子案によれば、この基本法の目的としては「日本語教育に関する施策を総合的に推進し、もって我が国に定住する外国人との共生による活力ある社会の実現に資するとともに、我が国に対する外国の理解と関心を深めることに寄与すること」が掲げられています。

 この法律が制定・施行されるのは、おそらく2018年度以降になると推測されますが、今後の多文化共生の社会に応じた日本語教育を実践する際に最も重要なことの一つは、支援の在り方や考え方、そして意識を共有することだと思います。例えば、「外国人住民が日本社会に適応するだけでなく、状況に応じて、日本社会の側からも変わっていく」というような柔軟な姿勢を持つこと=支援の在り方が肝要であり、「お互いの話の内容を擦り合わせるための工夫=対話や協働作業を通して相互の特徴をわかちあうことは、ひいては、住みやすいまちづくりに繋がる」というような展望や意識を共有することが、ますます重要となってくると思います。こうした柔軟な姿勢を持つための工夫や、意識の共有を図っていくためには、多文化社会を支える専門職としてのコーディネーターや相談通訳者等の存在がより大きな役割=つなぎ役等を果たす時代が到来することは必然となるでしょう。

 私(たち)はこれからの2 年間、新たに誕生した本機構に課された社会的使命や役割を認識するとともに、上記の基本法の成立に向けた動向や社会状況の変化についてもしっかり追跡、把握していきたいと思っています。そして、会員の皆さんをはじめ、多文化社会を支える関係機関や団体の皆さんとも連携・協働しながら、さらなる共生社会の発展、充実に向けて取り組んでゆきたいと思います。引き続き、ご協力のほど、よろしくお願い致します。

 

組織


◯ 役員 ※発足体制時 敬称略・五十音順

《代表理事》
野山広(国立国語研究所)

《副代表理事》
青山亨(東京外国語大学)
阿部裕(明治学院大学)
山西優二(早稲田大学)

《理事》
伊東祐郎(東京外国語大学)
大久保和夫(国際活動市民中心)
菊池哲佳(仙台観光国際協会)*事務局長
中村亮(弁護士)
新居みどり(国際活動市民中心)*事務局次長
三木紅虹(中国語医療通訳)

《監事》
関聡介(弁護士)
奈良雅美(アジア女性自立プロジェクト)

 

◯ 組織概要図

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事業内容


1. 認定事業(多文化社会コーディネーター、相談通訳者)

2. 実践研究事業

3. 社会発信事業

4. その他本機構の目的を達成するために必要な事業